先日教育セミナーに参加してきました。
内容は、「入試改革と英語学習」~今からしておくべき事は何か?~。
小学生のお子さんをお持ちの方対象のセミナーで、ベネッセ教育総合研究所の方の講演でした。
大きく変わる大学入試
2020年度、今までの「センター試験」が「大学入学共通テスト」にかわりますね。現中3(4月から高校生)の学年が2021年の1月に受けるテストから変わります。
2023年度まではセンター試験と大学入学共通テストのどちらかを採用するか、また両方を課すかは大学ごとに個別に判断するそうです。今のところ、国公立大学はセンター試験も大学入学共通テストも「両方」の試験を課す方針を表明しているそうですよ。
2023年度までが移行世代ということは、2002年4月~2006年3月生まれの子供達はセンター試験を受けたり共通テストを受けたりとパターンが定まらない世代になり、2006年4月生まれ以降の子供達は完全に共通テスト世代となります。
内容としては、今までマークシート式であった回答方式が、マークシート式問題だけでなく記述式問題が追加され、英語においては民間事業社の資格・検定試験が活用されることになります。
今までのマークシート式では主に「知識・技能」を問う問題でしたが、「思考・判断・表現力」と問う問題に変更されます。
セミナーの中でも、
「これからは、自分で考え、判断し、表現する力が必要」
と何度もこのワードが飛び交っていました!!
マークシートでも、「思考・判断・表現力」が求められるようになるので、具体的には提示された図表を読み取り、仮説をたて、答えを導くというようなものになるそうです。
記述式問題のボリュームは約100~120字程度。思考力がないと書けない問題になるそうです。
英語について
こちらはよく耳にする、英検やTOEFLなどの民間資格・検定試験が採用されます。
計測技能が、
聞く+読む
↓
聞く+読む+話す+書く
の4技能になり、話すことと書くことも重視されるようになります。
この技能を測る試験は、今のところ、
- Cambridge English
- 英検
- GTEC
- IELTS
- TEAP/TEAPCBT
- TOEFL iBT
- TOEIC L&R
- TOEIC S&W
の8種が選ばれているようです。
*文部科学省HP 「大学入学者選抜改革について 」より
年間の受験回数が最低2回(GTEC)~約40回(IELTS)と違いがあったり、受験地が全国12会場(Camblidge English)~最大17000会場(英検)受験しやすさの違いがあったりしますが、受験人数が圧倒的に多い「英検」が「受験料の値段」と「受験会場の多さ」で一番選ばれるのではないでしょうか。
値段だけでいえば、英検の受験料が4800円~5800円(準会場含む)のに対してケンブリッジ大学の英語検定Camblidge Englishは9720円~25380円までもしますもんね、財布事情も考慮すれば英検が利用しやすい?!
CEFRとは?
「何種もある資格・検定試験で、英語技能を平等に測れるのか?」という疑問がでてきますが、そこは共通の指標であるCEFRというものが用いられ、各試験の得点や級が平等に測れる仕組みになっています。
CEFRとは、Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessmentの略で、言語能力を評価する国際指標です。現在世界中で、学習者の言語運用能力を客観的に評価するために使われている世界共通の指標なんです。
*英語4技能試験情報サイト(http://4skills.jp/qualification/comparison_cefr.html)より
この指標を利用して英語技能の習熟度を測るので、別々の試験を受験していて共通の習熟度がわかるということです。
実際の試験はどんな感じ?
↑の表でいうCEFR B1というのが高校卒業必修ラインとなるそうですが、ではB1レベルのスピーキングではどのようなことが求められるのかというと、大きくわけて2つあるそうです。
1・英語のやりとり(対話)
身近な話題について英語を用いて情報や意見を交換することが必要になります。例えば、GTECのスピーキングテストのサンプル問題でみると、下のような絵から状況を読み取り、
Q.What are you doing this Saturday?
Q.When are you free on Sunday?
のような質問に英語で答えるというようなもの。答えを考えて用意する準備時間は10秒で、その後質問が始まり解答時間は15秒です。
2・発表
もうひとつが、身近な話題や事柄について即興で説明する問題です。こちらもGTECのサンプルから紹介すると、
上記のような絵を見て、自分でストーリーを考えて発表するそうです。
(準備時間20秒/解答時間1分)
遅刻をして走って電車には間に合ったけれど、車内に鞄を忘れてしまって駅員さんに伝えているというような発表ができればよいのですね。
評価基準
上記2つの例は、まさに「思考・判断・表現」する力が求められる問題です。
最終的に英語を話すことで表現し、その英語力が採点されるのですが、今回セミナーで話を聞いて驚いたことの一つは、
この評価は、
「正しい英語を使用しているかではなく、通じる英語を話しているか」
という点を重視しているということ!!
英語がちょっとぐらい間違っていてもいいんです!!
通じるかが重要なんです!!
今までの日本人は間違った文法を話していないかに気をとられすぎていたんです!
これは、カナダで生活しているときにも実感しました。
意外と英語って文法が間違っていても余裕で通じるんです!
私の低い英語力でも熱意と単語とその場の雰囲気でなんとか英語が通じるということは何度もありました!イッテQの出川イングリッシュでもそれがよくわかりますよね。
英語は国際共通語として利用されているわけで、正しい英語を話すよりも伝わる英語を話すことが重要視されるようになっているという点がとてもうれしく実用的な変革でした。
まとめ
セミナーで知ったことから、やはり「話す」ということがこれからの課題だなと感じました。
息子達にとって大学入試はかなり先の話ですが、息子達は完全に大学入学共通テスト世代です。
今週1回習っているオンライン英会話はやはり継続しようと思いました。まだ今の段階では図表を読み取り・その考えを英語にする機会はあまりありませんが、英語で質問されたことに対して躊躇なく、そして瞬発的に答えられる力は確実についてきていると思います。
文法が正しくなくても伝われば通じあえます。
楽しく話す!
恐れず話す!
これからも、リップルキッズパークのレッスンで「話す力」を強化したいと思います。